水溶性ビタミンの摂取基準量

ビタミンには脂溶性と水溶性のものがあります。水溶性ビタミンはその名の通り、水に溶けやすいビタミンのことです。

主な脂溶性ビタミン

ビタミンB複合体(ビタミンB1,B2,B6,B12等)やビタミンC等がある。

水溶性ビタミンB1の食事摂取基準

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きがあります。欠乏すると脚気という病気を引き起こすことでも知られています。

米ぬか、豚肉、レバー、豆などに多く含まれます。

  • 身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定した。
  • 推定平均必要量は、ビタミン B1の欠乏症である脚気を予防するに足る最小必要 量からではなく、尿中にビタミン B1 の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算 定。男性のビタミンAの摂取基準量

男性のビタミンB1の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 0.5
3~5(歳) 0.7
6~7(歳) 0.8
8~9(歳) 1.0
10~11(歳) 1.2
12~14(歳) 1.4
15~17(歳) 1.5
18~29(歳) 1.4
30~49(歳) 1.4
50~69(歳) 1.3
70以上(歳) 1.2

女性のビタミンB1の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 0.5
3~5(歳) 0.7
6~7(歳) 0.8
8~9(歳) 0.9
10~11(歳) 1.1
12~14(歳) 1.3
15~17(歳) 1.2
18~29(歳) 1.1
30~49(歳) 1.1
50~69(歳) 1.0
70以上(歳) 0.9
妊婦(付加量) +0.2
授乳婦(付加量) +0.2

水溶性ビタミンB2の食事摂取基準

ビタミンB2は皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きやエネルギー代謝に関わる働きをしています。お米に入れる補助サプリや、栄養ドリンクに含まれていることで有名で、栄養ドリンクの黄色はビタミンB2の黄色です。
ビタミンB2はレバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、葉菜類に多く含まれます。

身体活動レベルⅡ(ふつう)のエネルギーの場合で計算。

男性のビタミンB2の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 0.6
3~5(歳) 0.8
6~7(歳) 0.9
8~9(歳) 1.1
10~11(歳) 1.4
12~14(歳) 1.6
15~17(歳) 1.7
18~29(歳) 1.6
30~49(歳) 1.6
50~69(歳) 1.5
70以上(歳) 1.3

女性のビタミンB2の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 0.5
3~5(歳) 0.8
6~7(歳) 0.9
8~9(歳) 1.0
10~11(歳) 1.3
12~14(歳) 1.4
15~17(歳) 1.4
18~29(歳) 1.2
30~49(歳) 1.2
50~69(歳) 1.1
70以上(歳) 1.1
妊婦(付加量) +0.3
授乳婦(付加量) +0.6

水溶性ビタミン、ナイアシンの食事摂取基準

ナイアシンはビタミンB群の仲間で、トリプトファンと言う必須アミノ酸から合成することも可能なビタミンです。エネルギーを産生する際に働く酵素を補助する働きがあり、生きるために不可欠なビタミンです。ナイアシンが欠乏するとペラグラと言う痴呆や皮膚炎などを引き起こす欠乏症にかかります。
レバー、魚、肉などに多く含まれています。

NE=ナイアシン当量。

  • 身体活動レベルⅡ(ふつう)のエネルギーの場合です。
  • 推奨量はナイアシン当量(mgNE/日)で示されていますが、 耐容上限量はニコチンアミドおよび( )内はニコチン酸での値です。
  • 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが、 耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に、適度な摂取が大切です。

男性のナイアシンの摂取基準量

推奨量
(mgNE/日)
耐容
上限量
(mg/日)
1~2(歳) 5 60(15)
3~5(歳) 7 80(20)
6~7(歳) 9 100(30)
8~9(歳) 11 150(35)
10~11(歳) 13 200(45)
12~14(歳) 15 250(60)
15~17(歳) 16 300(75)
18~29(歳) 15 300(80)
30~49(歳) 15 350(85)
50~69(歳) 14 350(80)
70以上(歳) 13 300(75)

女性のナイアシンの摂取基準量

推奨量
(mgNE/日)
耐容
上限量
(mg/日)
1~2(歳) 5 60(15)
3~5(歳) 7 80(20)
6~7(歳) 8 100(25)
8~9(歳) 10 150(35)
10~11(歳) 12 150(45)
12~14(歳) 14 250(60)
15~17(歳) 13 250(65)
18~29(歳) 11 250(65)
30~49(歳) 12 250(65)
50~69(歳) 11 250(65)
70以上(歳) 10 250(60)
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量) +3

水溶性ビタミンB6の食事摂取基準

ビタミンB6は皮膚や粘膜を正常に保つ働きをするビタミンです。筋肉や血液を作るときにも必要なビタミンですので、多く運動する方には多く必要です。
ビタミンB6はカツオやマグロなのどの赤身の魚やレバーなどに多く含まれています。またバナナにも多く、運動選手がバナナを摂取するのは、筋肉や血液を増やすためにも非常に理にかなっています。腸内の細菌からも生成されるビタミンです。

  • 推奨量はたんぱく質食事摂取基準の推奨量をとる場合の値です(妊婦、授乳婦以外)。
  • 耐容上限量は食事からの量ではなくピリドキシンとしての量です。
  • 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが、 耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に、適度な摂取が大切です。

男性のビタミンB6の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
耐容
上限量
(mg/日)
1~2(歳) 0.5 10
3~5(歳) 0.6 15
6~7(歳) 0.8 20
8~9(歳) 0.9 25
10~11(歳) 1.2 30
12~14(歳) 1.4 40
15~17(歳) 1.5 50
18~29(歳) 1.4 55
30~49(歳) 1.4 60
50~69(歳) 1.4 55
70以上(歳) 1.4 50

女性のビタミンB6の摂取基準量

推奨量
(mg/日)
耐容
上限量
(mg/日)
1~2(歳) 0.5 10
3~5(歳) 0.6 15
6~7(歳) 0.7 20
8~9(歳) 0.9 25
10~11(歳) 1.2 30
12~14(歳) 1.3 40
15~17(歳) 1.3 45
18~29(歳) 1.2 45
30~49(歳) 1.2 45
50~69(歳) 1.2 45
70以上(歳) 1.2 40
妊婦(付加量) +0.2
授乳婦(付加量) +0.3

水溶性ビタミンB12の食事摂取基準

ビタミンB12は、葉酸と一緒にヘモグロビン生成を助けます。そのため、貧血のときに摂取を勧められます。また、脳からの指令を伝える神経を正常にする働きもあります。
ビタミンB12は牡蠣やレバーに多く含まれます。動物性蛋白に含まれていますから、菜食主義の人に不足しがちです。

男性のビタミンB12の摂取基準量

推奨量
(μg/日)
1~2(歳) 0.9
3~5(歳) 1.0
6~7(歳) 1.3
8~9(歳) 1.5
10~11(歳) 1.8
12~14(歳) 2.3
15~17(歳) 2.5
18~29(歳) 2.4
30~49(歳) 2.4
50~69(歳) 2.4
70以上(歳) 2.4

女性のビタミンB12の摂取基準量

推奨量
(μg/日)
1~2(歳) 0.9
3~5(歳) 1.0
6~7(歳) 1.3
8~9(歳) 1.5
10~11(歳) 1.8
12~14(歳) 2.3
15~17(歳) 2.5
18~29(歳) 2.4
30~49(歳) 2.4
50~69(歳) 2.4
70以上(歳) 2.4
妊婦(付加量) +0.4
授乳婦(付加量) +0.8

水溶性ビタミン葉酸の食事摂取基準

葉酸はビタミンB群の仲間で、緑の葉物野菜に多く含まれていることから、この名がつきました。
葉酸は、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成します。妊娠初期に十分な葉酸を摂取することにより胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎や無脳症など)のリスクを減らすことがわかっています。最近では、成人でも脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐという研究結果が多数報告されているそうです。
他には葉酸は、ビタミンB12と協力して血液をつくる働きがあるため、欠乏すると悪性の貧血がみられます。
葉酸はレバー、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤなどに多く含まれます。

  • 妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400μg/日の摂取が望まれます。
  • 耐容上限量は薬などによる通常の食品以外から摂取するプテロイルモノグルタミン酸としての量です。
  • 妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが、耐容上限量がないということではありません。通常時の耐容上限量を参考に、適度な摂取が大切です。

男性の葉酸の摂取基準量

推奨量
(μg/日)
耐容
上限量
(μg/日)
1~2(歳) 90 200
3~5(歳) 100 300
6~7(歳) 130 400
8~9(歳) 150 500
10~11(歳) 180 700
12~14(歳) 230 900
15~17(歳) 250 900
18~29(歳) 240 900
30~49(歳) 240 1,000
50~69(歳) 240 1,000
70以上(歳) 240 900

女性の葉酸の摂取基準量

推奨量
(μg/日)
耐容
上限量
(μg/日)
1~2(歳) 90 200
3~5(歳) 100 300
6~7(歳) 130 400
8~9(歳) 150 500
10~11(歳) 180 700
12~14(歳) 230 900
15~17(歳) 250 900
18~29(歳) 240 900
30~49(歳) 240 1,000
50~69(歳) 240 1,000
70以上(歳) 240 900
妊婦(付加量) +240
授乳婦(付加量) +100

水溶性ビタミン パントテン酸の食事摂取基準

パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーを作るのに必要な酵素を補助する働きをしています。また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも必要なビタミンです。

パントテン酸は、レバー、納豆、魚介類、肉類、卵などに含まれています。

男性のパントテン酸の摂取基準量

目安量
(mg/日)
1~2(歳) 3
3~5(歳) 4
6~7(歳) 5
8~9(歳) 5
10~11(歳) 6
12~14(歳) 7
15~17(歳) 7
18~29(歳) 5
30~49(歳) 5
50~69(歳) 5
70以上(歳) 5

女性のパントテン酸の摂取基準量

目安量
(mg/日)
1~2(歳) 3
3~5(歳) 4
6~7(歳) 5
8~9(歳) 5
10~11(歳) 6
12~14(歳) 6
15~17(歳) 5
18~29(歳) 4
30~49(歳) 4
50~69(歳) 5
70以上(歳) 5
妊婦 5
授乳婦 5

水溶性ビタミンCの食事摂取基準

ビタミンCは、コラーゲンをつくるのに不可欠です。肌や粘膜の健康維持に役立ちます。免疫力やストレス耐性を高めたり、鉄の吸収を良くしたりします。さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守ります。

ビタミンCの多い食品は、果物、野菜、じゃがいもなどです。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、できるだけ新鮮な状態で生のままで食べるのがいいでしょう。

男性のビタミンCの摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 35
3~5(歳) 40
6~7(歳) 55
8~9(歳) 60
10~11(歳) 75
12~14(歳) 95
15~17(歳) 100
18~29(歳) 100
30~49(歳) 100
50~69(歳) 100
70以上(歳) 100

女性のビタミンCの摂取基準量

推奨量
(mg/日)
1~2(歳) 35
3~5(歳) 40
6~7(歳) 55
8~9(歳) 60
10~11(歳) 75
12~14(歳) 95
15~17(歳) 100
18~29(歳) 100
30~49(歳) 100
50~69(歳) 100
70以上(歳) 100
妊婦(付加量) +10
授乳婦(付加量) +45

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